技術の概要

高濃度炭酸ガス処理技術の概要

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高濃度炭酸ガスによる害虫防除は古くから知られ、新しい技術ではありません。しかし炭酸ガスを利用した防除は世界的にも実用化されていませんでした。そこで村井はイチゴでの実用化研究を開始し、ナミハダニに対する効果を明らかにするとともにイチゴにも悪影響がないことを確認(小山田・村井,2013)、栃木県での実用化を進めてきました。60%の濃度で8~9月に24時間処理することで99.9%の殺虫ができ、害虫フリー苗をつくることができます。

詳しくは密閉空間に植物を置き、炭酸ガス濃度を上げることで害虫を防除することができます。定植前の苗や輸出品などを処理することで、害虫フリーの状態にすることができ、施設圃場では持ち込みによる害虫の発生を阻止することが可能です。
特にIPMの基幹技術として他の防除技術と組み合わせたときに高い効果が期待できます。

IPMとは

IPM

総合的病害虫管理の略であり、耕種的、物理的、生物的、化学的な防除を組み合わせ、経済的な損失が出ないように防除するものです。
近年では化学農薬に依存しない病害虫防除として期待されています。

例えば・・・
病害虫の発生が少ない時期の定植や防虫ネットによる害虫の侵入防除、フェロモンなどによる害虫の繁殖行動のかく乱、病害虫の天敵昆虫や糸状菌、拮抗菌などをお互いに邪魔をしないように組み合わせることで、病害虫の発生を抑えることが出来ます。